DX関連

DXに関連する様々な情報を
掲載しています

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 公的支援
  4. 中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引きが経済産業省から公開されました

中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引きが経済産業省から公開されました

経済産業省から4月8日、「中堅・中小企業等向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き」が公開されましたが、KIISもこの手引の作成に関わっておりました。ここではこの手引について紹介いたします。

<参考>中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/contents.html

デジタルガバナンス・コードって何なん??

企業のDXに関する⾃主的取組を促すため、デジタル技術による社会変⾰を踏まえ、経営者に求められる対応を

1.ビジョン・ビジネスモデル
2.戦略
 2-1.戦略実現のための組織・制度等
 2-2.戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
3.成果と重要な成果指標
4.ガバナンスシステム

という柱立てに沿って、経済産業省が取りまとめ、公表したものです。

<参考>デジタルガバナンス・コード(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html

このデジタルガバナンス・コードの対象は上場・非上場、大企業・中小企業、個人事業主・法人を問わず広く一般の事業者となっており、今後の変化の激しい社会において、企業がさらなる成長を遂げていくための道標となりうるものです。そして、経済産業省では、このデジタルガバナンス・コードの公表とともに、DX銘柄等の各種施策を通じて、DXの好事例の創出や取組の紹介を行ってきました。

ただ、DX銘柄の選定対象となる企業はどうしても上場企業や大企業が多く、本来デジタルガバナンス・コードの実践の対象となりうる中堅・中小企業がDXへアプローチを考える際の事例として、これらの好事例が参考になりにくい部分があると言う課題がありました。

中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」手引き

こういった課題もあり、経済産業省では、中堅・中小企業等の経営者やこれらの企業の支援に取り組む支援機関の参考となるよう、DXに取り組む際に求められること(≒デジタルガバナンス・コード)等を、実際の中堅・中小企業におけるDXの取組事例を交えながら紹介する「中堅・中小企業等向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き」を作成し、4月8日に公開しました。

手引きの表紙(引用:経済産業省「中堅・中小企業等向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き」)

ちなみに、3月に公表された「DXセレクション2022」についても、この中堅・中小企業等のDXの取り組み事例を抽出し、取り組みを全国に普及し、DXのイメージを醸成し取組を促進する目的で実施されています。これはいわば、中堅・中小企業等版のDX銘柄のようなイメージだと思います。

<参考>DXセレクション2022を公表しました!(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220324003/20220324003.html

手引には何が書いてあるん?

この手引は、大きく分けて

  1. DXとは何か、その可能性と進め方
  2. デジタルガバナンス・コードの実践に向けて
  3. 中堅・中小企業等におけるDX取組事例集

という3つの章から構成されています。

まず、

1.DXとは何か、その可能性と進め方

では、DXとは一体どのような考え方に基づくものであるのか、そして取り組むことでどのようなメリットがあるのかも含め、DXに関する解説を行っています。さらに、DXの取組の好事例として、

  • 有限会社ゑびや(飲食業/三重県伊勢市)/
    株式会社EBILAB(情報システム開発販売業/三重県伊勢市)
  • マツモトプレシジョン株式会社(精密機械部品加工/福島県喜多方市)
  • 株式会社ヒサノ(一般貨物自動車運送事業・機械器具設置工事業/熊本県熊本市)

の取り組み事例を交えながら、中堅・中小企業等がDXを進める意義や、DXを進める上での中堅・中小企業等ならではのアドバンテージやDXの推進に当たっての具体的なプロセス等が紹介されています。

そして、

2.デジタルガバナンス・コードの実践に向けて

では、デジタルガバナンス・コードの柱立てに沿った形で、各柱ごとに

  • 基本的事項
  • 望ましい方向性
  • 取組例

が紹介されており、デジタルガバナンス・コードが示す内容と具体的な取組のイメージを掴むことができる構成になっています。

そして、

3.中堅・中小企業等におけるDX取組事例集

では、日本各地の様々な業種におけるDXの取り組み事例が紹介されています。(全部で13社)

企業名所在地業種
有限会社ゑびや
株式会社EBILAB
三重県伊勢市飲食業
情報システム開発販売業
松本プレシジョン株式会社福島県喜多方市精密機械部品加工業
株式会社ヒサノ熊本県熊本市一般貨物自動車運送事業
機械器具設置工事業
北海道ワイン株式会社北海道小樽市酒類製造業
株式会社ヒバラコーポレーション茨城県東海村工業塗装業
株式会社北國銀行石川県金沢市銀行業
株式会社竹屋旅館静岡県静岡市宿泊業・飲食サービス業
株式会社ハッピー京都府宇治市サービス業
株式会社スーパーワークス岡山県岡山市技術サービス業
東洋電装株式会社広島県広島市制御盤製造及び技術サービス業
株式会社太陽都市クリーナー広島県府中市廃棄物処理業
サンコー株式会社香川県高松市ねじ・精密部品製造・販売等
松本工業株式会社福岡県北九州市自動車部品・金属製品等製造
事例掲載企業の一覧

このように、単に知識としてデジタルガバナンス・コードの意味を紹介するだけでなく、具体的な企業の取組事例を交えながら紹介していくことで、特に中堅・中小企業等の経営者の方々が実際にデジタルガバナンス・コードに沿って自社の DX の推進に取り組む際、または、支援機関の方がこれらの企業の支援に取り組む際、その参考となるように作成されています。

今後のDXの推進に向けて

本サイトで紹介している企業の取組事例も含め、中堅・中小企業等においても様々なデジタル化・DXの取組や成功事例が見られるようになっています。デジタル化・DXは上場企業や大企業だけができることでは決してなく、むしろ、中堅・中小企業等こそがデジタル化・DXを推進することでさらなる成長を遂げるポテンシャルを秘めていると感じます。(ちなみに、以前、当財団が主催したセミナーにご登壇いただいた明治大学経営学部教授の岡田浩一先生はこれを、中堅・中小企業における「伸びしろ」と表現されていました。)

  • DXとやらに取り組んでみたいんだけど、何から始めたらいいんやろか
  • うちぐらいの規模の会社でもうまいこと行くもんやろか
  • そもそも、DXってなんやねん

などなど、一言でDXを進めるぞと言っても、企業によっては色々な疑問や不安があると思います。そういった方々に少しでもこの手引きを手に取っていただいて、「DXってこんな感じか」、「うちの業界、同じくらいの規模の会社でも色々できることあるんやな」、「こういうところからだったらうちでもできそうやな」と少しでも興味を持っていただき、取組をスタートするきっかけとなればと感じています。「手引きとか文字ばっかで読んでられへんわ!」という方もご安心ください。経済産業省から手引きの本体と同時に要約版も公表されています。改めてリンクを掲載いたしますので、ぜひご一読いただければと思います。

■中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き(概要版)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/tebiki-gaiyo.pdf

■中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き(要約版)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/tebiki-yoyaku.pdf

■中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き(本体)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/tebiki.pdf

関連記事