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e-Kansaiレポート2023~ハピネス・ドリブン・エコノミーの創出に向けて~ 調査結果の概要

 一般財団法人関西情報センター(KIIS、会長・森下俊三)では、関西地域の情報化の実態把握と課題の抽出、解決策の提言等を目的として、「e-Kansaiレポート」調査を実施しております。このたび、2022年度に調査を実施した結果を取りまとめた「e-Kansaiレポート2023」を発刊いたしましたのでご案内いたします。

主な結果
① ビジネスを推進する上で、「ハピネス・ドリブン・エコノミー」(後述)を志向している企業は全体の約4割超。また、すでにそのような考え方のもとで商品・サービスを展開している企業は約2割。

② 「ハピネス・ドリブン・エコノミー」を志向する企業では、DXの進展度合いが高く、全社的なデジタル活用に取り組む傾向にある。

③ 今後、企業等においてDXによる成果を生み出す上で、「ハピネス・ドリブン・エコノミー」の考え方は重要。より実態を把握した上で、こういった活動を周知・加速化する方策が求められる。



e-Kansaiレポート2023 調査の概要と結果の抜粋

a. 調査の趣旨
 e-Kansaiレポート2023では、企業等が具体的にDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進を行う上でとるべきアクションに着目し、中小企業を含め、実際にビジネスの中でデジタル技術を「実装」、つまり現実的に使える形にしていくにはどのように考えればよいか、さらに地域全体や社会全体においてDX実現をどのように推し進めていくべきかについて、基本的な考え方をまとめました。この結果、今後企業等がDXを推進する上で、「幸せ(ハピネス)」を志向した製品やサービスを、デジタル技術を全面的に活用して展開していくことが重要であると考え、この概念を「ハピネス・ドリブン・エコノミー」と名付けました。本調査では、企業における「ハピネス・ドリブン・エコノミー」に対する考え方やDX推進状況との関係について、アンケート・ヒアリング調査等を踏まえ考察しています。

【ハピネス・ドリブン・エコノミーの定義】
DXの進展を踏まえ、デジタル技術によって個々人や社会全体の「幸せ(ハピネス)」を志向した製品・サービスの創出・提供を加速度的に推進することにより、世界のマーケットシーンを先導していこうとする考え方


b. 報告書の構成
1. 調査実施方針:デジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性と、DX推進に関する調査の方針や方法を説明しています。新型コロナウイルスの影響とデジタル技術の活用にも焦点を当てています。
2. 文献・周辺調査等:社会・経済のデジタル化の状況、コロナ禍を経たデジタル化推進の状況、生成AIの状況、最新のDX推進施策についての文献調査の結果をまとめています。
3. アンケート調査:企業におけるDX推進の現状、デジタル化に関する方針や具体的な取り組みについてのアンケート調査の結果を紹介しています。
4. ヒアリング調査:DX推進に関する企業の具体的な取り組みや課題を、ヒアリング調査を通じて分析し、ハピネス・ドリブン・エコノミーの観点からの取り組みを整理しています。
5. まとめ:DXの推進状況、DXの「目的」が新たな課題になる可能性、DXの進展と新たな潮流、ハぴネス・ドリブン・エコノミーの創出に向けた提案、今後の調査の方向性等をまとめています。
付録. ヒアリング調査記録

c. 調査方法
 文献調査、アンケート調査及びヒアリング調査を実施。アンケート調査では、関西圏を中心に約5,000社の企業に調査票を配布し、272件(回収率5.4%)から回答を得ました。ヒアリング調査では4社に対し聞き取りを行い、詳細なヒアリング記録を作成しました。

d. 主な結果

アンケート調査から得られた知見

 企業におけるデジタル化・DXの取り組みでは、回答企業全体で見ると、「会社全体としてデジタル化・DXに取り組んでいる」と回答した企業は54.8%、「各部門、組織ごとにデジタル化・DXの取り組みを進めている」と回答した企業は27.2%であった。

 デジタル化を推進する目的では、業務効率化を目的とする企業の割合が高く、かつ企業規模による割合の差はあまり見られない。一方、「価値創出」に関連する項目を目標として上げた大企業が56.0%に対して中小企業では26.1%、「付加価値の向上」に関連する項目を目標として上げたについては大企業では71.0%に対して中小企業では46.1%と企業規模によって割合に差が見られる。

 ビジネス推進に際し、「ハピネス・ドリブン・エコノミー」の考え方を有しているか否かを問うた設問。回答企業全体で44.5%、大企業では50.0%、中小企業においては42.2%がハピネス・ドリブン・エコノミーに対して近い考えを持っていると回答。

 ハピネス・ドリブン・エコノミーの定義を示した上で、この概念に沿った製品やサービスを企業が提供しているか、あるいは提供する予定があるかについて聴取した結果。この割合に関して、大企業と中小企業の間に大きな差は見られない。

 ハピネス・ドリブン・エコノミーと「同様の考えを持っている」と回答した企業においては、そうでない企業と比べるとデジタル化やDXの取り組みを推進している割合が高いことに加え、その内訳についても「全社的に」デジタル化・DXに取り組んでいると回答している割合が高い

ポイント
  DX先進企業においては、デジタル変革を戦略の核に据え、ビジネスモデルの進化顧客体験の向上効率化を目指している。
 デジタルリテラシー強化システム更新新技術導入外部協力顧客接点強化がDX推進の鍵。これらは競争力維持・向上に不可欠。
 新ビジネスモデル構築は、顧客・市場・従業員の幸福感の向上にとって重要。技術進歩だけでなく、利害関係者の満足度と幸福感の向上が目標

 今回ヒアリングを実施した企業は、いずれもデジタル変革を企業戦略の中心に据え、組織全体で取り組むことにより、ビジネスモデルの進化、顧客体験の向上、内部の効率化を目指しています。デジタルリテラシーの向上、既存システムの更新、新しい技術の導入、外部との協力、顧客とのデジタル接点の強化が、DX推進における共通の要素として浮き彫りになりました。これらの要素は、今後のビジネス環境における競争力を維持し向上させるために不可欠であると考えられます。

これらの事例から明らかなように、デジタル変革を通じた新しいビジネスモデルの構築は、顧客、市場、そして従業員の幸福を追求する上で重要な役割を果たしています。このような変革は、単に技術的な進歩だけでなく、利害関係者の満足度と幸福感を高めることを目的として推進されることで、より効果を高められると考えられます。

 e. 今後の調査の方向性
今後調査すべきポイントは以下のように考えられます。DXとハピネス・ドリブン・エコノミーの効果的な推進者を特定し、その特徴、戦略、および成功要因を理解することができれば、各企業におけるデジタル化推進の参考になるとともに、経済・社会の活性化に資する各種の施策の立案にも資すると考えられます。

ポイント調査項目趣旨
担い手の特定と特徴分析DXとハピネス・ドリブン・エコノミーを推進する企業、政府機関、NGO、教育機関、市民団体の特定。これらの担い手がどのような特徴を持ち、どのような戦略を採用しているかを理解することで、成功のモデルケースを特定し、その知見を広める。
戦略と実践の分析DXの実施戦略、ハピネス・ドリブン・エコノミーに関連する施策、取り組みの具体例。効果的な戦略や実践のパターンを特定し、これらのアプローチがどのように組織や社会にポジティブな影響を与えているかを理解する。
成功要因の特定成功しているDXプロジェクトやハピネス・ドリブン・イニシアティブの共通要因。成功事例の共通点を明らかにし、他の組織や地域が同様の成功を収めるためのベストプラクティスを提供する。
課題と障害の特定DXの実施やハピネス・ドリブン・エコノミー推進における主な課題と障害。課題や障害を明らかにすることで、これらを克服するための解決策を提案し、他の組織や地域が同様の問題を回避するための指針を提供する。
影響評価と持続可能性DXやハピネス・ドリブン・エコノミーの取り組みが社会、経済、環境に与える影響の評価。取り組みの効果を測定し、それが持続可能な発展にどのように貢献しているかを理解する。
技術的進展の分析DXを支える最新技術の進展とその応用例最新技術の潮流を把握し、それらがどのように社会的、経済的幸福に寄与しているかを理解する。
教育と人材育成DXやハピネス・ドリブン・エコノミーに関連する教育プログラムと人材育成の取り組み。効果的な教育と人材育成がこれらの取り組みの成功にどのように寄与しているかを理解し、将来の担い手を育成するための方策を提供する。

f. おわりに
アンケート調査のより深い分析や、インタビューレポートの詳細については、「e-Kansaiレポート2023」本文をご覧ください。特に、インタビューレポートは企業4社のDX担当者・責任者等に対する詳細な聞き取り内容をまとめております。経営層のみなさまや、日頃デジタル化の取り組みを現場で進められている方々等にとって、読み物としても大変参考になる内容であると自負しております。皆様にご一読いただければ幸いです。



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